カウンセリング実績13年。愛知県名古屋市でアダルトチルドレン・認知行動療法・伝わる会話が受けられるカウンセリングルーム。

カウンセリングルーム Your Place
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3丁目7-26 ACAビル
「久屋大通」駅 徒歩4分/「栄」駅 徒歩9分
我慢とサヨナラカウンセリング
090-7862-1138
営業時間 | 11時~20時(年中無休) |
|---|
「どうして怒られたのかわからなかった」
「頑張ったのに、理不尽に怒鳴られた」
「母が不機嫌にならないように行動してきた」
そんな幼少期を過ごした方は少なくありません。
アダルトチルドレンの方の中には、
『相手の機嫌を先読みして動いてしまう』
『自分の意見を言うのが怖い』
『本音を出すと嫌われる気がする』
といった悩みを抱えて、
生きてこられた方が多くいらっしゃいます。
今回は、
カウンセリングルームYour Placeに
通われたAさんの生い立ちをもとに、
「怒られることを恐れて育った子どもが、
大人になってどんな生きづらさを感じるのか」
を、心理的な背景とあわせて解説します。
Aさんがまだ小学生の頃。
母は気分の浮き沈みが激しく、
穏やかに話していたかと思えば、
次の瞬間には声を荒らげて怒鳴る。
「なんでそんなことをしたの!」
「調子に乗るんじゃない!」
怒られるとは思っていなかったのに、
突然怒鳴られることも多くありました。
Aさんはいつも
「次は何で怒られるんだろう」と怯えながら、
家の空気を読む毎日でした。
母の機嫌が悪いと、
部屋の空気は一気に張り詰める。
その緊張感に、幼いAさんは耐えきれず、
『お母さんが怒るかどうか』で
行動を決めるようになっていきました。
3つ下の妹は破天荒で甘え上手。
母は妹の失敗には笑って済ませ、
Aさんには「お姉ちゃんでしょ」と叱る。
理不尽さを感じても、
Aさんはただ黙って我慢していました。
ある日、テストで良い点を取ったAさん。
「今日ね、95点だったよ!」と笑顔で報告。
しかし母の返事は冷たく、
「自慢するようなことを言うんじゃない!」
Aさんは、ただ褒めてほしかっただけなのに…
胸の奥が冷たく沈み、
「怒られるようなことしたかな…?」
と混乱しました。
その日を境に、
『思ったことを素直に話すと怒られる』
『嬉しい気持ちは出しちゃいけない』
という信念が、心に深く刻まれました。
夜になると、
母は仕事の愚痴を延々と話しました。
「上司がね、本当に嫌な人で」
「私ばっかり大変で」
Aさんが少しでも嫌そうな顔をすると、
「あなたまで聞いてくれないの?」と責められる。
母に少しでも気分よく過ごしてもらいたい
と思い、アドバイスをすれば、
「子どものあなたに何がわかるの!!」と怒られる。
Aさんはどうしていいかわからず、
母のグチを聞くたびに罪悪感を抱き、
我慢して母の話を聞き続けました。
『母が不機嫌にならないように』
『家の空気を乱さないように』
Aさんは常に、母の顔色を見て
過ごすようになっていきました。

中学生になる頃には、Aさんの頭の中には常に
『怒られないように』
という言葉がありました。
・意見を求められてもみんなに合わす
・イヤな事を言われても反論せず我慢
・困っていても「大丈夫」と笑う
・本音を出す前に相手の顔色を読む
そんな日々を重ねるうちに、
Aさんは次第に「自分の感情がわからない」
と感じるようになっていきました。
社会人になってからも、
Aさんの<空気を読む癖>は止まりませんでした。
職場では上司や周りの意見に合わせ、
誰かが怒られていると、
「まるで自分が責められている」ように感じてしまう。
周囲からは、
「気が利く人」「優しい人」と言われても、
内心は常に緊張と不安に包まれていました。
自分の意見を言えず、
相手に合わせすぎて疲れてしまう。
それでも—
『嫌われたくない』
『怒らせたくない』と笑顔を作る。
その繰り返しの中で、
心がすり減っていったのです。

Your Placeカウンセリングに通い始めたAさんは、
「相手の正解をださないと不安でしかたがない」
と話してくれました。
お話を掘り下げていくうちに心の奥に、
『本当は母に優しくしてほしかった』
『怒らないで、話を聞いてほしかった』
『頑張りを認めて欲しかった』
という切実な願いが
隠れていることに気づかれました。
同時に、
Aさんの生きづらさの根底に、
『完璧でなければ価値がない』
『迷惑をかけないようにしなければ、
受け入れてもらえない』
という、自分を縛りつける信念がある
ことに気づかれました。
カウンセリングの中でAさんは、
これまで母に対して我慢してきた感情や、
言えずにいた思いを一つずつ言葉にしていきました。
その過程で、
幼い頃に傷ついたインナーチャイルドを癒し。
少しずつ感情や思いを言葉にする
練習を重ねるうちに、
Aさんはやがて、
『怒られないように』ではなく、
『自分を大切にするために』行動を
選べるようになっていきました。
「母親の顔色を気にしてばかりいたけど、
今は “私がどうしたいか” を考えられる
ようになりました。
小さなことでも、
自分の思いを素直に言えるようになり、
自分で決められて嬉しいです」

このような環境で育つと、子どもは次第に
「自分の意見や感情を出す=危険」
と、無意識に学習してしまいます。
親の怒りや不機嫌が予測不能なほど、
子どもは“外の世界を危険な場所”と感じ、
「他人の表情」や「声のトーン」に敏感になります。
心理学では、
【過剰な適応反応】 や 【過警戒(かほけい)】
と呼ばれ、常に緊張し自分の感情よりも、
『相手の感情を優先してしまう』傾向に発展します。
※過警戒(かほけい)とは、
ストレスやトラウマなどによって、
危険がない状況でも常に緊張状態にある、過敏な状態のこと。
また、
愚痴を聞かされる立場だったAさんは、
<母親の感情を支える役割>を担うことで、
『自分が頑張らないと誰かが壊れてしまう』
という自己犠牲的な自己イメージを形成していました。
社会に出てからも、
Aさんは人間関係で同じパターンを繰り返していました。
・上司や同僚の機嫌を過剰に気にしてしまう
・自分の意見を伝えると「怒られる」「バカにされる」と感じる
・褒められても素直に受け取れない
注意をうけると、
子どもの頃の恐怖がよみがえり萎縮してしまう。
職場やパートナー、友達との関係でも、
常に“相手の顔色”を読み、
「怒られないように」「嫌われないように」
と、行動してしまう。
結果、
・断るのが苦手で、一人抱え込む
・自分は何がしたいのかわからない
・人と一緒にいると疲れる
・甘えたり、頼ることができない
という空虚感に苦しむようになっていきました。
Aさんのように、
理不尽な怒りを経験した子どもは、
『怒られた記憶』が心を支配してしまいます。
すると、子どもは自然と
「我慢」「回避」「迎合(ゲイゴウ)」といった
自分を守るための習慣を身につけていきます。
幼い頃、母の感情の浮き沈みや、
妹への甘い対応に直面したAさんも、
無意識の心の反応を使いながら
日々を過ごしていました。
心理学では、
このように心を守る反応を「防衛」と呼びます。
1.我慢(抑制)
自分の気持ちや欲求を押さえて、
母が怒らないようにすること。
例)嬉しいことを話さず、笑顔も控える。
2.回避(逃避)
トラブルや叱責を避けるため、
問題や感情に向き合わずに距離を置くこと。
例)母の機嫌が悪いときは、大人しく部屋にこもる。
3.迎合(合わせる)
相手の期待や要求に合わせ、
自分の感情を後回しにすること。
例)母の顔色を読んで行動し、自分の希望を隠す。
幼い頃のAさんは、
これらの防衛を駆使して
『怒られないように』
『家の空気を乱さないように』
生活していました。
この心のクセは、大人になった今も、
影響することがあります。
それは幼少期には必要だった
“生き残るための知恵”ですが、
大人になっても続くと、
「他人の機嫌を取る」ことがクセになってしまうのです。
カウンセリングでは、Aさんはまず、
「母に怯えていた小さな自分」に気づき、
その子を守る側にまわる練習をしました。
『相手の機嫌が悪くても大丈夫』
相手の機嫌は相手のモノ、
私のモノではない—
『自分の気持ちを伝えてもいい』
思ってるだけでは伝わらない、
伝えることは自分を大切にすること—
その経験を少しずつ積み重ねることで、
Aさんはようやく、
“怒られないように生きる人生”を卒業できたのです。
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